四方から研ぎ澄まされた感性が一点に集うとき、
自由に、たしかに波紋をひろげてゆく
漆工房前田貝揃案は、
沖縄の伝統工芸である琉球漆器の国際的な研究と出品・展示交流を通して、
新たな表現を提案していく漆ブランドです。
※再生すると音声が流れます
作品制作とともに研究および教育事業をおこないます。
沖縄という中間領域の複層的な歴史をはじめ、様々な地のコレクティブな歴史と伝統に対し、“表現”をとおして、過去の片鱗を正しく集め、整理し、理解していくことで、現在において新たな表現を生み出そうとする長期的なプロジェクトです。
国際的な交流の場であり、学際的かつさまざまな表現領域の人材が集い、相互に表現を研鑽し、常に創造的かつ具体的な“案”をもって、表現の新たな方向性を切り開いていくプラットホームとして機能します。
漆工房前田貝揃案とコラボするたびに多彩な人材の作品や研究がアーカイブされ、次の世代へと表現を自由に繋いでゆくことのできる持続的な記録をしていきます。
「紅房」から独立した父が作った前田漆芸アトリエで私は大きくなった。
主を失い住む者も次々と他界し、いつの間にか廃墟と化したそれを、ついに解体した。
失われた何かを埋めるため、今度は私が新たな工房を創設する。
父のアトリエは父そのものであったが、
私のアトリエで私はそれを構成する要素のひとつとして、
そこからかすかな波紋を広げていこうと思う。
工房代表:前田比呂也